高等学校外国語科

英語教育改善プラン推進事業「英語指導力向上事業」(高等学校・第2回研修会)

 12月18日(月)、徳島県教育会館にて、東京外国語大学大学院 教授 投野 由紀夫 先生を講師にお迎えし、5月の第1回研修会【理論編】に続く【実践編】として標記研修を実施しました。(令和5年5月26日 第1回研修会

 研修では、まず、第1回研修会以降に受講者の先生方が各校で実践されたこと、また実践の中で出てきた自身の課題や悩みについてグループ内で発表した後、全体でも共有していただきました。各校の生徒の実態に応じて、第1回研修会で投野先生からご指導いただいた「読むこと」の指導に焦点を当てた取組が行われており、「読むこと」から「話すこと」や「書くこと」の指導につなげるために先生方が工夫されている様子がうかがえました。

 その後、事前に撮影したモデル授業を視聴し、グループ協議を行いました。モデル授業を行っていただいた先生は、テキストタイプ別の読ませ方を意識した指導に取り組まれ、本単元では説明文を読み取るポイントについて繰り返し確認した後、モデル授業で、教科書のテーマに関する初見の英文(説明文)を読ませることに挑戦されました。初見の英文についてはChatGPTを活用して作成するなど、第1回研修での学びを大いに生かした実践や、授業後に生徒が読み取ったことを自分の考えとともに発表する様子、評価問題についてもご紹介いただき、授業改善のヒントがたくさん得られる機会となりました。

ノート・レポートモデル授業学習指導案.pdf

 最後に投野先生から総括として、モデル授業の良かった点や改善点を取り上げていただきながらご指導いただきました。4技能5領域の力をバランスよく伸ばすための方法や、未読のテキストを新たに与えて読ませる際の工夫についてご助言をいただき、高校教科書の中心となっている「読むこと」をおろそかにせず、「読む力」をしっかり付けさせる指導を目指そうとの思いを新たにすることができました。

  

 

鉛筆【理論編】及び【実践編】に参加された先生方の実践や感想の一部です。

  • テキストタイプとその内容によって読み方を変えることで、生徒が多様な英文を正確に読み取れるよう心がけた。
  • 長文を読むことは怖くないと思える生徒が増え、以前より長文読解に意欲的に取り組むようになった。
  • 日々の授業で手一杯の中で、理論を学ぶ機会が得られてとてもよかった。また理論を実践につなげることで学びが深まったと思う。
  • 第1回研修会で学んだことを授業づくりの際に意識した。テキストタイプによって何を指導するか考える機会となった。また、リーディングの活動を次の活動につなげることで、読み取りで得た知識・技能の定着を目指した。
  • リーディングで得た知識や情報を生かせるようなパフォーマンステスト(スピーキング)や、初見の英文をテストで読ませる試み、説明文を訳読するのではなく、概要を捉えるように読ませることにも取り組んで、初見の英文でも読める生徒が増えてきた。
  • 「読むこと」の指導を見通しを立てて行ったうえで、生徒の読む力を測るということに取り組めた。「キーワードを見つけて内容把握をする」とか「目的をもって読むようにする」など、「読むこと」に対する生徒の取り組み方も変わりつつあるので、継続できるように授業改善に取り組み、他の領域の力も伸ばしていきたい。

 

 受講された先生方には、本研修での学びを生かした実践を継続しながら、校内でも積極的に共有し、授業改善の輪を広げていっていただけたらと思います。