高等学校外国語科

高等学校外国語科 担当者からの情報

令和5年度外国語指導助手の指導力等向上研修

 JETプログラム(The Japan Exchange and Teaching Programme)で徳島県内に配置されている外国語指導助手(ALT)98名を対象として年間3回の研修を実施し、最終日には中・高の日本人英語担当教員(JTE)72名も参加しました。研修では大学教授による講義や県立学校での授業実践、受講者間の協議などをとおして、学習指導要領への理解を深めるとともに、実践に役立つアイデアの共有、ALT同士及びALTとJTEの相互理解や連携促進を図りました。

 

<第1日>
 日時:令和5年9月25日(月)9:45~16:00  会場:徳島県立総合教育センター
 午前中はグループ協議を実施しました。最初の協議は、来日直後の新規ALTに対して2年目以降のALTからアドバイスや情報を提供する機会とし、次の協議では、各班で授業案や活動内容、当日の役割分担や進め方について確認するなど、研修第2日の授業実践の準備を行いました。午後は、文教大学 阿野 幸一 教授による「Teaching English for Communication - How Can We Help Students Learn English?」と題した講義を受けた後、講義で学んだことを実際の授業でどのように生かしていくかについて協議し、各自のアイデアを共有しました。

  

 

<第2日>
 日時:令和5年10月19日(木)A班 9:30~12:10 / B班 13:00~15:40  会場:徳島県立徳島北高等学校
 ALTを午前と午後の2班に分けて、1回目の研修で準備した授業案をもとに、インタビューやプレゼンテーション、ディベートなどの授業を2コマずつ行いました。生徒の英語使用を促すために、発問の仕方やジェスチャーなどを工夫しながら授業を行い、どの教室でも生徒とALTがお互いにコミュニケーションを楽しむ姿が見られました。また、多くのALTがハロウィンにちなんだ仮装をして集まり、異文化に親しむ機会となりました。

  

 

<第3日>
 日時:令和6年1月24日(水)9:45~16:00  会場:徳島県立総合教育センターからZoom配信(オンライン研修)
 午前中は、敬愛大学 向後 秀明 教授による「What is required of ALTs and JTEs according to the current National Curriculum Standard - How to motivate students to keep learning English」と題した講義があり、ALTとJTE混合のブレイクアウトルームで、さまざまなペア・ワークやグループ・ワークに取り組みました。午後は、各校種から1名ずつ代表のALTがプレゼンテーションを行い、各自の日々の実践や言語活動の例などが共有されました。また、午前とは異なるブレイクアウトルームで、ALTとJTEのティーム・ティーチングをより良いものにするためのアイデアについて協議し、全体で活発な意見交換が行われました。

  

 

 

英語教育改善プラン推進事業「英語指導力向上事業」(高等学校・第2回研修会)

 12月18日(月)、徳島県教育会館にて、東京外国語大学大学院 教授 投野 由紀夫 先生を講師にお迎えし、5月の第1回研修会【理論編】に続く【実践編】として標記研修を実施しました。(令和5年5月26日 第1回研修会

 研修では、まず、第1回研修会以降に受講者の先生方が各校で実践されたこと、また実践の中で出てきた自身の課題や悩みについてグループ内で発表した後、全体でも共有していただきました。各校の生徒の実態に応じて、第1回研修会で投野先生からご指導いただいた「読むこと」の指導に焦点を当てた取組が行われており、「読むこと」から「話すこと」や「書くこと」の指導につなげるために先生方が工夫されている様子がうかがえました。

 その後、事前に撮影したモデル授業を視聴し、グループ協議を行いました。モデル授業を行っていただいた先生は、テキストタイプ別の読ませ方を意識した指導に取り組まれ、本単元では説明文を読み取るポイントについて繰り返し確認した後、モデル授業で、教科書のテーマに関する初見の英文(説明文)を読ませることに挑戦されました。初見の英文についてはChatGPTを活用して作成するなど、第1回研修での学びを大いに生かした実践や、授業後に生徒が読み取ったことを自分の考えとともに発表する様子、評価問題についてもご紹介いただき、授業改善のヒントがたくさん得られる機会となりました。

ノート・レポートモデル授業学習指導案.pdf

 最後に投野先生から総括として、モデル授業の良かった点や改善点を取り上げていただきながらご指導いただきました。4技能5領域の力をバランスよく伸ばすための方法や、未読のテキストを新たに与えて読ませる際の工夫についてご助言をいただき、高校教科書の中心となっている「読むこと」をおろそかにせず、「読む力」をしっかり付けさせる指導を目指そうとの思いを新たにすることができました。

  

 

鉛筆【理論編】及び【実践編】に参加された先生方の実践や感想の一部です。

  • テキストタイプとその内容によって読み方を変えることで、生徒が多様な英文を正確に読み取れるよう心がけた。
  • 長文を読むことは怖くないと思える生徒が増え、以前より長文読解に意欲的に取り組むようになった。
  • 日々の授業で手一杯の中で、理論を学ぶ機会が得られてとてもよかった。また理論を実践につなげることで学びが深まったと思う。
  • 第1回研修会で学んだことを授業づくりの際に意識した。テキストタイプによって何を指導するか考える機会となった。また、リーディングの活動を次の活動につなげることで、読み取りで得た知識・技能の定着を目指した。
  • リーディングで得た知識や情報を生かせるようなパフォーマンステスト(スピーキング)や、初見の英文をテストで読ませる試み、説明文を訳読するのではなく、概要を捉えるように読ませることにも取り組んで、初見の英文でも読める生徒が増えてきた。
  • 「読むこと」の指導を見通しを立てて行ったうえで、生徒の読む力を測るということに取り組めた。「キーワードを見つけて内容把握をする」とか「目的をもって読むようにする」など、「読むこと」に対する生徒の取り組み方も変わりつつあるので、継続できるように授業改善に取り組み、他の領域の力も伸ばしていきたい。

 

 受講された先生方には、本研修での学びを生かした実践を継続しながら、校内でも積極的に共有し、授業改善の輪を広げていっていただけたらと思います。

英語教育セミナー in 徳島2023

 12月9日(土)に、「英語教育セミナー in 徳島2023」を開催しました。徳島県立総合教育センターでの対面とWeb会議システム(Zoom)によるオンラインのハイブリッド形式で実施し、徳島県内の小・中・高・特別支援学校の外国語教育に関わる先生方に御参加いただきました。

 昨年度に引き続き、文部科学省初等中等教育局 富髙 雅代 教科調査官を講師にお招きして、「外国語科における言語活動を通した指導の充実について」と題して御講義いただく中で、事前に寄せられた受講者からの質問や日々の指導における悩みに対して、具体例を示しながらお答えいただきました。

 2時間半にわたる講義の中で、受講者同士が情報や意見を交換する場面もたくさんあり、児童・生徒の10年間の学びを想像しながら、各校における言語活動の充実について考えるとともに、コミュニケーションを行う目的・場面・状況の設定や、小・中・高の接続を意識した指導の重要性について、改めて確認する貴重な機会となりました。

 参加された先生方には、ぜひ本セミナーでの学びを各校で共有し、実践につなげていただけたらと思います。

 

ひらめき受講者の感想

  • 異校種の先生方のお話を伺い、方法は違えども、目指すところは同じだと痛感しました。今後も学び続けていきたいと思います。(小学校教員)
  • 中学校や高校の英語教育の目標や実態について詳しく学ぶことができました。今後自身が外国語の授業を行う際には、中学校への円滑な接続ができるよう意識したいと感じました。(小学校教員)
  • 高校や小学校がどのように授業を進めているか、何を大切にしているかお伺いできて有意義でした。各校種の教科書を手に取って見ることができ、卒業後どのようなテキストを使うのかがよく分かりました。今後も研鑽を積んで、卒業後の生徒たちを思い浮かべながら、学びを実際の授業に生かしていきたいです。(中学校教員)
  • 自分のこれまでの授業を振り返る機会となりました。生徒の実態を把握して指導計画を立て、目的・場面・状況を設定した言語活動を行うことが大切であると改めて実感しました。(中学校教員)
  • 自分が教員である意味をもう一度問い直すことができました。参加して本当に良かったです。(高等学校教員)
  • 小中高の接続を考えた指導の充実を図るべきだと感じました。生徒が「学びたい、伝えたい」と思える授業デザインを、英語科全体で考えて実施していきたいと思います。(高等学校教員)

 

情報処理・パソコンセミナーの様子

  

 

 

令和5年度 つながる外国語教育!小中高連携EX研修(特別研修)

 7月3日(月)・4日(火)に、文教大学 金森 強 教授、東京家政大学 太田 洋 教授(3日)、信州大学 酒井 英樹 教授(4日)、東京外国語大学 根岸 雅史 教授をお招きして、「つながる外国語教育!小中高連携EX研修(特別研修)」を開催しました。

 午前の校種別講義では、高等学校・中等教育学校(後期課程)・特別支援学校の教員を対象に、根岸先生が「高等学校における指導と評価の一体化のための授業改善」と題して、新学習指導要領における観点別評価について、観点ごとのポイントや、考査問題作成及び評価を行う際の課題等、具体例と共に分かりやすく御指導くださいました。

 午後は小中高混合のグループに分かれて、「校種間連携を意識した授業づくり」の協議・演習を行いました。前半の情報交換の時間は、児童生徒の実態や外国語の授業の様子、使用教科書、CAN-DOリストなどについて活発に意見が交わされ、他校種の現状について知る貴重な機会となりました。その後の演習では、事前課題をもとに、「ALTの先生に自分のことをよりよく知ってもらおう、そしてALTの先生のことをもっと知ろう」というテーマで、単元目標や単元終末の言語活動などについてアイデアを出し合いながら、中学校の生徒を対象とした「話すこと[やり取り]」の授業づくりに取り組みました。午前の講義で学んだこともグループ内で共有しつつ、校種間のつながりを意識した授業について考えることができました。

 本研修での学びが各校で普及され、2学期以降の先生方の実践に生かされることを期待しています。

 

王冠研修の様子王冠

 

 

 

鉛筆小中高混合グループによる成果物の一部鉛筆

 

 

令和5年度つながる外国語教育!小中高連携EX研修における事前課題・事後課題について

 7月3日(月)、4日(火)に実施します本研修は、小・中・高等学校で貫かれた学習指導要領の目標を理解するとともに、学習指導要領を踏まえた「指導と評価の一体化」のための授業改善に取り組むことで、県内全ての外国語教育に携わる先生方の指導力を向上させることを目的としています。

 そこで、研修当日の校種間協議・演習における話合いの資料とするための事前課題に取り組んでください。そして、研修後には、事後課題として所属校で校内研修会を実施し、本研修の学びを広く普及するとともに、学びを生かした実践に取り組み、その成果をまとめて報告してください。

鉛筆事前課題・事後課題の様式は、次よりダウンロードしてご使用ください。

  01_事前課題様式_高・中等・特(一太郎ファイル).jtd

  02_事前課題様式_高・中等・特(ワードファイル).doc 

  03_事後課題様式_高・中等・特(一太郎ファイル).jtd

  04_事後課題様式_高・中等・特(ワードファイル).doc

令和4年度以前の記事

高等学校外国語科 研修等

「パフォーマンス評価ワークショップ」

英語教育改善プラン推進事業「パフォーマンス評価ワークショップ」を実施!

  年が明けてすぐの令和5年1月5日(木),英語教育改善プラン推進事業「パフォーマンス評価ワークショップ」を実施しました。

 別府大学短期大学部 准教授 大田亜紀先生を講師にお迎えし,全ての校種にわたる教員の方々やALTの方々と一緒に,先生方から多くの悩みの声が聞かれる学習評価について,学ぶ機会をもちました。

 大田先生からの御講義を受けた後,3つのワークショップを行いました。

①徳島イングリッシュメンターの授業動画と学習指導案を共有し,その単元後(学期末)のパフォーマンステストを個々に設定。ルーブリックも作成。その後,グループ協議。

②提示したルーブリックをもとに,指導主事が児童役をしてのパフォーマンステストデモを見て,各自で評価し,グループで意見交換。

③個々の校種や単元にそったパフォーマンステストを作成。ルーブリックも作成。

 半日のワークショップでしたが,内容盛りだくさんで,受講者からはとても充実した研修だったと好評でした。

鉛筆講義・ワークショップの様子鉛筆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鉛筆受講者からの感想鉛筆

・指導する前に, 育てたい児童の姿を明確にして指導できていれば,パフォーマンス評価のルーブリックも決まってくるのだと改めて学んだ。単元末の児童の姿だけでなく,学期末の姿も明確にして指導に臨みたい。

・「主体的に学習に取り組む態度」の評価に疑問をもっていたが,ワークショップを通して整理することができた。自分自身も評価にルーブリックを使用しているが,分かりやすいゴールになっているか,もう一度見直したい。

・ルーブリックをつくる体験が参考になった。評価基準が明示されていることで,同じパフォーマンステストを複数学級で実施しても評価がぶれないと感じた。

・実際の教材を使用してパフォーマンス評価を考えたり,デモンストレーションを見て実際に評価したりする体験が,とても勉強になった。

・意味のある場面設定と,いかに楽しく学び多い授業にするかということを,自分自身が学ばなければならないと思った。

支援スタッフ
学校経営支援課 長篠 真紀子 (088-672-6420)