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前期第4回「新未来とくしま講座」『真珠湾奇襲攻撃 捕虜第1号「酒巻和男の戦中・俘虜生活と戦後」』  講師:青木 弘亘さん 

2025年8月6日 14時50分

令和7年8月3日(日)午前10時から正午まで、総合教育センターのホールにて、前期第4回「新未来とくしま講座」が開催されました。鳴門教育大学同窓会初代会長青木弘亘さんを講師にお迎えして『真珠湾奇襲攻撃 捕虜第1号「酒巻和男の戦中・俘虜生活と戦後」を演題にご講演いただきました。当日は、ホールとZOOM同期配信をあわせて75人が受講し、青木さんの話に耳を傾けました。

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太平洋戦争(1941-45)の開戦劈頭ハワイの真珠湾軍港を魚雷攻撃するため、二人一組で5隻の特殊潜航艇による攻撃隊が編成されました。酒巻和男さんはその攻撃隊員10人の中の一人でした。1941年12月8日、岩佐大尉以下10人が出撃。その結果、酒巻少尉を除く9名が戦死、酒巻少尉は、自艇の故障・座礁によりただ一人生き残り、米軍に収容されて太平洋戦争の捕虜第1号となったのです。

酒巻氏は、1946年に帰国し、後に、トヨタ自動車工業に入社して教育訓練・輸出関係に従事することになります。捕虜の時代を経て身についた英語力と国際感覚が評価され、ブラジルトヨタの社長を14年間務めるなど戦後日本の復興発展に大きく寄与されました。

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戦争のもたらす不条理や、心の葛藤を抱えながらも、その命を多くの人たちのために役立てたいとの思いで戦後を生き抜かれた酒巻氏の生き様を通して平和の大切さへの思いを深める大変貴重な機会となりました。

受講者アンケートからは、「終戦80年、平和の大切さ、外交の力、世論の力を信じたい。青木さんの熱意に感謝します。ありがとうございました。」「酒巻和男さんの名は、これまでテレビ、新聞等を通じて知っていたがその実態については全く知らなかった。このたび、酒巻さんの体験や生き方を知り大変勉強になった後世に伝えたい県人である。」との声が聞かれ、盛況の中、第4回目の講座を締めくくることができました。

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☆「新未来とくしま講座」は徳島県立総合大学校が主催し、1年間を前期・後期に分けて実施する講座です。徳島の文化・自然・くらしに関する地域に密着した学習を行い、多くの方に長年ご支持いただいている講座です。引き続き、受講者の方々からの声をお伺いしながら、「ふるさととくしま」の素晴らしさや新しい魅力の発見の機会となる講座へとますます育てていきたいと思っております。前期はあと第5回を残すだけとなりました。今後とも「新未来とくしま講座」をどうぞよろしくお願いいたします。